アメリカ痔ろう闘病記 - War with anal fistula

アメリカ留学時に突如見舞われたお尻トラブルについて綴ります

再受診

5月上旬。大学の春学期が終わるや否や、意を決して、再受診の連絡をSurgeryに入れました。まず、MyChartで3月上旬に受診したSurgeonに予約を入れると、翌日事務の方から電話確認が来ました。どうやら別の医師になる模様。前回の担当医の印象が良かったので残念でしたが仕方ありません。1週間後の予約を確認して電話を切りました。

 

3月上旬以来、2ヶ月ぶりの受診なので多少緊張。ただ、今回は中途半端な診断をされても困るので、診察予約時に恐らく痔瘻(Anal fistula)だと思われるとして予約しているので手術と言われてもいい覚悟で向かいました。

 

建物に入る段階でCOVID-19のチェックが入る。体温チェック後、受付へ。Co-paymentの$30を支払って待機。

明らかにやる気のない看護師が登場…ただこのコロナ禍で医療従事者の方はみんな大変だよなと思い直し診察室へ。

今回は手術の話をするつもりなので説明しきれないことがあると困る。出来れば通訳サービスを利用したいと打診。すると何故かその看護師は、大丈夫大丈夫あなたの英語は分かるから問題ないよとのこと。うーん、不安だけどなーと思いながら、もし無理だったら頼むよとお願いし、着替えて待機していると年配の男性医師が登場。

最初に病状確認として一言、「あなたは以前受診しているよね?何でまたSurgeryに?」

この方は私の受診歴を確認してくれているようだった。2月からの一連の症状の説明をして今回下着に着く汚れが続いていること、シコリの部分が痛みがあることを伝えるも、「で、何で今Surgeryに?」

うーん、何を言えば納得するのか。

2月ERで処置してもらったところとは別の箇所が腫れているんだと伝えると納得したのか診察を開始するとのこと。診察前に言っておくことはないかと聞かれたので、私は改めて通訳サービスを依頼。今度は快諾してくれた。正直病状の推移を説明するのが苦労したので使えるなら最初から使いたかった…

 

少し触診した後に手術の話に。

その日中に秘書の方から日程の連絡をするとのこと。また、患部の状況確認のためMRI検査も受診して欲しいと依頼があり、それも後日日程調整の連絡が来ることを確認して診察終了。

 

 

Swelling up, again.....

3月上旬に診察を受けた後、病状は特に改善なくまた悪化もせず過ごしていました。3月中旬にはCOVID-19の本格的な波がアメリカにもやってきました。私の住んでいたエリアでも3月中旬から飲食店の営業停止、下旬からは外出規制も始まり、大学の授業も100%オンラインに移行しました。住んでいるアパートの共用部も閉鎖され、授業もミーティングも全て家からのオンライン参加。

 

そのような状況下、4月に入るとシコリの辺りに急激な変化が出始めました。今まで固めのシコリだったはずの箇所が急激に腫れ上がってきたのです。シコリ自体はおそらく1cm四方程度のサイズでしたが、ついには肛門から左前方部、左睾丸付近まで大きく腫れ上がってしまいました。あれ?腫れてるかな?と気づいてから2日ほどで一気にパンパンに。シコリだった辺りに少し大きめの白い点が…奴です。完全に痛みも腫れ方も肛門周囲膿瘍です。しかしながら、コロナ真っ只中。病院に行くこと自体が億劫。幼い娘も居るので万が一私がコロナをもらって帰ってきたら一大事。合わせて、オンラインとはいえ春学期終盤。課題に追われる毎日で病院に行けない日々が続きました。

 

幸い100%オンライン授業のおかげで、椅子に長時間座れない私はベッドに枕やクッションを積み上げて背もたれを作り、そこで授業やミーティングを行いました。患部に負担がかからないようにしていたおかげで痛みは前回ほどではありませんでした。1、2週間経った頃には、どこかで破れたんでしょう、腫れが次第に収まってきました。ただ、浸出液か膿かわからない汚れが下着に着く毎日…

 

痔瘻の症状が頭をよぎり、放置しても治らないことはわかっていました。ただ、どうしても病院に行く気になれず、春学期が終わる5月上旬まで1ヶ月ほど騙し騙し過ごしました。

あれ?シコリ?(3)

3月上旬のSurgery受診後、土日は指示どおり半身浴とAdvilを服用しました。さすがに一日3-4回も出来ないので朝起きて30分、寝る前に30分〜1時間の半身浴をしました。アメリカのバスタブは非常に浅く、めいいっぱい貯めてもギリギリ腰辺りまでしか浸かれません。そのため、寝そべるようにして患部が浸かるようにして入浴していました。

 

月曜日になって、電話がいつ来るかドキドキしていました。私は同じMBAに通っている日本人の中でも英語が苦手な方で、電話で英語を話すなんて更に苦手でした。しかも、普段ビジネスや日常では使わないお尻トラブルに関する詳細な表現などわかるわけもなく事前に準備して待っていました。

 

すると、この時間だけは避けてくれと言っていた時間にスマホのバイブが…さすがアメリカ。この日は12時〜3時を除けば授業は無かったのでミーティングがあっても電話に出られると踏んでいたのですが、見事にピンポイントで授業中の着信。溜め息をつきながら、後で折り返そうと保留しました。

 

授業後同じ番号に折り返すと何やら自動音声が。しまった…これはたらい回しにされるパターン。案の定、Surgeryに回線を繋いでもらい、何とか担当の回線に繋いでもらうのに10分強…挙げ句の果てに担当は不在なので折り返すとのこと。正直なところ、特別悪化したわけでもなく前回からのUpdateもないので、今後また痛みが出たら連絡するからと担当医に伝えてくれと伝言をお願いし電話終了。念のため、MyChartのMessage機能を使って同様の内容を担当医師に送信。

 

翌日の担当医からMyChartに返信があり、「今なら電話できるよ」とのこと。いやいや、話すことないんやけど、と思いながらも折角連絡をくれたので電話を入れるとまたたらい回し。10分後担当医の回線に繋がるものの不在…はぁ?

 

電話口の女性にどうしますか?と言われたので昨日の同じことを伝えて電話終了。

 

アメリカってオンラインで何でも出来る様になってますが、電話文化が思ったよりも残っていることに驚き。そして、不便。私のように英語が出来ない人にとっては。

 

その後、特に先方から連絡はなし。私もシコリと多少の浸出液はあるものの、長時間座らなければ目立った痛みはなし。

 

これから春学期も後半に差し掛かってきて、勉学も追い込みにはいって来るため、半身浴やAdvil服用で誤魔化しながら日々を過ごしていました。

あれ?シコリ?(2)

3月上旬、follow-up visitでprimary care doctorの登録をしてある病院を受診した翌朝。

無理やり予定を空けてもらったという別病院のSurgeryのところへ。

 

前夜、切開される恐怖を鎮めるべく、痔瘻についてリサーチ。日本ではほぼ入院が必要なことや手術前の食事制限、アメリカでも日帰りではあるものの食事制限はある模様。この時点で私は食事制限の指示などを受けていないので流石にいきなり手術はないだろうと一安心し診療へ。

 

いつもどおり、Co-payment $30を支払い待機しているとすぐに呼ばれて診察室へ。

 

年配の女性医師が登場。医師は私の拙い英語も真剣に聞こうと親身になってくれる感じ。付き添いの看護師も明るく元気でいい雰囲気。

例によって、肛門内に指を入れて触診。上下左右。シコリのある側のみに痛みを感じたため伝える。元の服装に着替え直して待機。

 

浸出液がまだ出ているのは2月中旬に処置した箇所が完治していないのだろうとのこと。肛門周囲の構造を手書きで図示して説明してくれた。シコリについては特に言及なし。そんなに酷く無いようなので一旦様子見で、①一日3〜4回Epsom saltというものを入浴剤のようにして入れて半身浴をすること ②痛みがある場合はibuprofen(Advil or Motrin)を服用すること と手書きのInstructionをくれた。日本ではイブプロフェンというのが一般的だと思いますが、”アイ”ブプロフェンと言われ、一瞬ポカンとしてしまいました。ちなみにAcetaminophen(Tylenol)はあるがそれでもいいか?と確認するも、いやibuprofenにしなさいとのこと。それ以上聞いてないので理由は不明。診察日が金曜日だったので、「土日様子を見てください。翌週月曜日に電話しますね」とのこと。私は月曜日の授業の時間を伝えて、その時間だけは外して欲しいとお願いし診察終了。

 

教授とのミーティングがあったが、この診察のためにキャンセルしていたのでその他予定なし。CVSに立ち寄りAdvilとガーゼパッドを購入し帰宅。

 

 

 

あれ?シコリ?(1)

激痛の肛門周囲膿瘍(Perianal abscess)から半月ほど経った3月上旬。

 

2月中旬のER以来、痛みはないものの定期的に半身浴をし、学校にも痔用のクッションを持ち歩きながら通っていました。しかし、激痛は無いものの、どことなく違和感が消えない…

また、処置後、浸出液のために患部に当てているガーゼパッドにいつまで経っても汚れが。

本当にいつになったら完治するんだろうかと思っていると、2月中旬に膿を出した箇所(肛門と尾骶骨の中間辺り)から肛門を中心として真反対の箇所(肛門と左睾丸との中間辺り)に何やら固めのシコリのようなものを発見。

 

少し押し込むと痛みを感じるものの何もしなければ痛みはない。しかし、違和感はある。この時点で私は肛門周囲膿瘍以外の可能性を感じ、ネットで検索。「肛門」「シコリ」「固い」などで調べると血栓性外痔核などの記事を発見。痔瘻(Anal fistula)も名前は既に知っていましたがこの時にようやく症状を把握。絶対に痔瘻ではあって欲しく無い!血栓性外痔核であれば、長期になるものの自然治癒も見込めるかもという自分に都合のいい記事を探し安心を求めていました。

 

案の定、改善は見られません。

シコリも少しずつ大きくなっている模様。また激痛がやってくるのが恐ろしいのでPrimary Care Doctorにfollow-up visitを予約。恐る恐る診察を受けることに。

Primary Careと言っても留学で渡米した直後に登録だけしただけで今回初対面。しかも登録ドクターは予約が取れず、別の医師に。予約の時間に伺うとCo-paymentの$30を支払うとすぐに診察室へ。小柄な若い女性医師が登場。

当たり前ですが、登録ドクターではないので基本情報もなし。一から状況を説明し、何とか触診してもらうことに。今回はシコリだったためか、医師が慣れていないからか、肛門の中には指は入れず外側のみの触診。一応、バクテリアチェックにかけるねーと少しだけ肛門付近の組織?粘膜?を採取して終了。少し待っててと言われ、元の服装に着替えて待機。

 

30分ほどすると電話を持ったままの女性医師が戻ってきて、Surgeryに行った方がいい。明朝別の病院の予約を何とか空けてもらおうと思って電話しているんだが行けるか?とのこと。

Surgery?え?外科?また切るの??

前回のERでの処置が鬼痛かったので恐怖しかない私は授業やミーティングがあることを口実に先延ばしにしようとするも呆れたような表情で明日の8:30以外はもう空けられないと言われ渋々承諾。

 

翌日の予約と場所を確認して終了。

明日、また恐怖の切開なのかなぁ…

Wound Check

2月中旬Urgent CareでERの処置を受けてから2日後、傷のチェックのため、ERを再訪しました。

 

少し術後の経過を確認すると、2日前膿を出したところから、靴紐のような紐が傷口から出るような形で取り付けられていました。尻尾が付いているように。出切っていない膿を外に出すためとのこと。取れてしまっても仕方ないと言われていましたが、引っこ抜くような恐ろしい真似も出来ないので二日間恐る恐る過ごしていました。

 

平日授業終わりの夕方、ERを訪れると先日と異なり思いの外混雑。Wound Checkに来たことを伝えると前回同様リストバンドをつけられて待機。今回はCo-paymentとして$150をクレジットカードで支払いました。※前回分は後に保険適用後料金として同額$150請求されました。

 

おおよそ2時間ほど待たされた後、ERの診察室へ通されました。看護師にも同様にWound Checkに来たことを伝えると着替えの指示があり、また例の格好でベッドに横たわって待機しました。

 

さらに30分ほどベッドで待たされた後、かなり若い背の高い男性医師が登場。傷の具合を確認し、紐を抜くよ?と言うや否やすぐに引き抜きました。少し引っかかれるような感覚はありましたが、痛みはほとんどなく、OKいい感じじゃない?帰っていいよ👍と軽く5分程度で終了。引き続き、一日3、4回の半身浴は続けてねと言い残して去って行きました。5分のために約3時間と$150…さすがアメリカ。

 

ただ、痛みもほぼ無く、これでお尻トラブルともおさらばだと思って意気揚々と帰宅しました。

突然の激痛!(3) - 肛門周囲膿瘍 - Perianal abscess

そして近くの大病院に到着。

初めて来た病院でしたが、先ほどの病院で多少行き方を聞いていたので確か受付はこっちだったはずと思って進むも見つからず。仕方なく思っていた方と違う方向にRegisterationのサインがあったのでそこで待つことに。

順番が回ってきて、紹介状をもらって来たことを説明し、医師から本日処置したほうがいいとアドバイスもらったことを伝えると、ERじゃないと今日は診療できないよ?ERはここじゃないわよと振り出しに…泣

再度痛みを堪えながらEmergency Medicineと書かれた受付へ。そこで再度受付し、ID, Insurance card, 紹介状を渡し、リストバンドをつけられて待機。

30分ほどで名前を呼ばれ、まず看護師からの病状確認、初診だったため飲酒喫煙歴などを含めた長めのインタビューを受けた後、COVID-19に関する質問も。その後、再度10分ほど待機したのち、ERへ案内される。

今度はThe ERという感じのいかにもな手術着を来た大柄な女性から、先ほどの診療と同じ格好をするように指示。着替え終わると早速触診に。まさかというか、やっぱりというか、肛門に指を入れられ、上下左右に痛みの箇所を確認されるも激痛すぎて全てが痛い!また、2回目のせいか便意が…触診中に脱糞はヤバすぎる!と思い、必死の思いで出た英語が ”Wait, wait, wait! I, I’m coming, poo!!”

極限状態で発した発言なのでご容赦願いたいところだが、改めて自分で振り返ると何てお粗末なことを言ったのかと反省…

ちなみに、その言葉に医師は反応なく、立ち去りました。

 

その後、1時間ほど放置された後に、先ほどの女性医師が現れ、何やら今から切ると言っている模様。麻酔のことを確認されるも自身の運転で来ており、妻は運転出来ないので迎えに来れない。したがって、麻酔は打てないのでとりあえず痛み止めを処方されることに。いやいや、Prisonですかココはと言いたくなるほど大柄で刺青だらけのスキンヘッドの男性が水と痛み止めを持ってきて飲めとのこと。そそくさと飲んで待機。また1時間ほど経ったころ、女性医師が再来。どんな感じー?と聞くや否や、じゃあ始まるねーと5分ほどの準備でいきなり処置に。ちょっと痛いけどすぐ済むから頑張ってーっと言われ、OKと歯を食いしばるや否や、プスッ…ハゥ!ぐぅおおおおお!!!

恐らく5分程度だったと思いますが、人生最大の痛みでした…

終わった後、抗生物質と痛み止めを飲みさらに30分ほど待機。

 

するとほとんど痛みがない。さすが!と思い感謝感激と思いながら着替え、診察結果を待っていると女性医師から”Perianal abscess”でしたと宣告。何のことやらわからない私は、そうでしたか!とにかく楽になりました!Thank you!と伝えました。2日後にWound checkのため、再度ERに来なさいと言われましたが、ERは予約不要でER受付に来るだけでいいとのこと。帰りにCVSに寄り、drop off  counterで処方箋を渡し、抗生物質と痛み止めを購入し帰宅。長く痛い1日がやっと終わりました。

 

この後、まだまだ続く闘病生活の始まりとは露知らず…